有害物質処理材
Yoshizawa Lime Industry Co.,Ltd.
有害物質処理材
吉澤石灰工業株式会社では、石灰・ドロマイトの新分野への活用を見据え、また近年のユーザーニーズ多様化・厳格化に対応するため、ある特定の機能特性を高めた高機能商品や新たな機能、用途を発現させた高付加価値商品の研究開発を積極的に取り組んでいます。ここでは、私たちの研究活動が結実した具体的な商品をご紹介いたします。
ドロマイト系有害物質処理材:メタルクリアシリーズ
■メタルクリアシリーズとは
天然鉱物であるドロマイト( CaMg(CO3)2 )を出発原料とする無機系の処理材です。
■メタルクリアシリーズの特徴
- 重金属類汚染土壌、石炭火力、バイオマス発電所等から発生する焼却飛灰に対する有害物不溶化に有効です。
- 排水中のフッ素を始め、重金属類の除去を目的とした排水処理材としても有効です。
- 天然鉱物を出発原料としているため、有機系材料と比べ環境負荷低減に有効です。
■メタルクリアシリーズ
製品名 | 主成分 | 製品形状 | 特徴 | 材料pH[-] |
---|---|---|---|---|
メタルクリア -1000 |
MgO+CaCO3 (半焼成ドロマイト) |
粉末状 粒状 |
排水処理、汚染土壌向けの不溶化処理剤 ※カラム充填剤として利用可能 [処理対象] Pb, As, F, Se, B, Zn, Cd, P |
10~12 |
メタルクリア -2000 |
Mg(OH)2+Ca(OH)2 (水酸化ドロマイト) |
粉末状 | 硫酸系廃水の中和剤 ・汚泥量の削減 ・重金属の除去 ・スラッジ、スケール発生量の抑制 [処理対象] Fe, As, Mn, Cu, Zn, Al, Cd, Pb |
12~13 |
配合系 メタルクリア MC-1120 MC-2100 |
メタルクリア-1000 or メタルクリア-2000 + 各種添加材 |
粉末状 | 廃水、汚染土壌、焼却灰、石炭灰向け 不溶化処理剤 [処理対象] F, Pb, B, As, Se, B, Cr6+, Sb, Mo |
4~13 |
-
▲ 粉末状
-
▲ 粒状
-
▲ 粒状・充墳例
■メタルクリア試験結果の紹介
ヒ素不溶化試験例 メタルクリア-1000
メタルクリア-1000適用例
吸着層工法
吸着資材と砂等を使い重金属吸着層を作り、その上に汚染土壌や、岩ずり等を盛土します。
雨水等により溶出した有害物を吸着層で吸着し系外への拡散を防止します。
吸着層工法を模して、下図のようにヒ素を溶出する実際の岩ずりを使った試験カラムを作成した。
ヒ素吸着性能を評価するため、岩ずりの下部にメタルクリア-1000を充填した。
雨水を仮定して、一週間に一度カラムに水を通水し、流出水中のヒ素濃度を分析した。
試験1岩ずりのみ
試験2岩ずり+吸着材
ヒ素濃度経時変化
試験1
岩ずりのみ
試験2
岩ずり+
メタルクリア
試験1より、20週までは岩ずりから基準値の5倍程度ヒ素が溶出し、それ以降は基準値程度の溶出量となり岩ずりからのヒ素溶出がほとんど見られなくなる。
試験2をみると、40週の試験を通じて流出水中のヒ素が基準値以下となり、岩ずりから溶出するヒ素がメタルクリア-1000に吸着されていることが伺える。
岩ずりから溶出するヒ素を、メタルクリア-1000で吸着することが可能
その他用途
・ヒ素、鉛等の汚染土壌不溶化処理
関連製品
重金属類カラム試験 メタルクリア-1000
カラム処理適用例
凝集沈殿処理フロー例
カラム処理フロー例
カラム処理は凝集沈殿処理と比べ処理工程数が少なく、設置面積の大きい沈降槽も必要ありません。
カラム充填材が破過した場合、中身を新しい材料と交換することで処理を行うことができます。
ヒ素(Ⅲ)、セレン(Ⅳ)、鉛、亜鉛、カドミウムを含有する模擬排水を作製。
これを、粒状メタルクリア-1000を充填した試験カラムに一定流量で通水した。
所定時間毎にカラム流出液を採取し、各種重金属類の濃度を分析した。
- 模擬排水
- As,Se,Pb,Zn,Cd=0.5mg/l、初期pH=2~3
- 試験方法
- SV(通水速度) 12、カラム上方から通水
- 充填剤粒度
- 0.5~1.0mm 50ml充填(比重1.1kg/l)
流出液中の重金属濃度
[mg/l] | As | Se | Pb | Zn | Cd |
---|---|---|---|---|---|
模擬排水濃度 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.5 |
環境基準値 | 0.01 | 0.01 | 0.01 | 0.01 | 0.01 |
カラム流水中の各時間における元素濃度 | |||||
5分後 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 |
30分後 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 |
90分後 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 |
カラム通水することで、ヒ素、セレン、鉛、亜鉛、カドミウムを
環境基準値以下まで除去可能
その他用途
・ヒ素、セレン、カドミウム、鉛、亜鉛、ホウ素等の排水処理
関連特許
特許第5187376号
関連製品
フッ素排水処理 メタルクリア-2100
フッ素の排水基準値は8.0mg/lに設定されている。高濃度のフッ素排水処理の場合、一段の処理では基準値を満たすことが難しく、二段処理を行うことも少なくない。Ca塩で一次処理を行った工場排水を入手し、これにメタルクリア-2100を添加しフッ素の二次処理を行った。
メタルクリア-2100排水処理適用例
フッ素処理の二次処理材
処理フロー例
高濃度のフッ素を含む原水に対し、消石灰等を使い一次処理を行う。
その後、フッ素濃度を排水基準値以下に抑えるため二次処理としてメタルクリア-2100を投入し処理を行う。
溶液量に対し0.05~0.4wt%のメタルクリア-2100を添加し、各時間におけるフッ素濃度を分析した。
排水濃度
F[mg/l] | pH[-] | |
---|---|---|
一次処理水 | 11 | 9.5 |
フッ素濃度経時変化
メタルクリア-2100により、フッ素濃度を排水基準値以下に抑えることができた
その他用途
・フッ素、ホウ素、アンチモン等の排水処理
関連製品
焼却灰、石炭灰の不溶化試験 メタルクリア-2130
メタルクリア-2100、メタルクリア-2130適用例
・フッ素やセレン等の有害物を溶出する石炭灰や、焼却灰にメタルクリア-2100、メタルクリア-2130を混合し有害物の不溶化処理を行います。
・粉末同士の混合(ドライブレンド)で溶出量の基準値達成を目指します。
石炭ボイラー発電所で発生する石炭灰飛灰の不溶化試験を実施した。
実際の石炭灰を使用してメタルクリア-2130を添加し環境庁告示第46号で定める溶出試験を行った。
空試験 | Run-1 | Run-2 | 土壌基準値 | ||
---|---|---|---|---|---|
配合 | 石炭灰 [-] | 100 | 100 | 100 | - |
メタルクリア-2130 [-] | - | 5 | 10 | - | |
溶出試験 結果 |
溶出液pH [-] | 12.1 | 12.6 | 12.8 | - |
フッ素(F) [mg/l] | 1.1 | 0.13 | 0.08 | 0.8 | |
ホウ素(B) [mg/l] | 2.3 | 0.3 | 0.1 | 1.0 | |
セレン(Se) [mg/l] | 0.05 | <0.01 | <0.01 | 0.01 | |
六価クロム(Cr+6) [mg/l] | 0.05 | <0.01 | <0.01 | 0.05 |
メタルクリア-2130で有害物を環境基準値以下まで不溶化可能
その他用途
・焼却飛灰等の有害物処理、フッ素、セレン等の汚染土壌不溶化処理
関連製品
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ケミカル営業グループ
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